4月13日(土)の研究会にご参加いただいた先生がたには、新年度初めの時期にも関わらず、ご出席いただき、また様々にご意見を賜り、改めて感謝申し上げます。
発表者の鹿島先生は昨年春に奈良女子大学附属中高に赴任されたばかりですが、初年度から意欲的に漢文の授業に取り組まれており、今回は赴任当初に実践された「言語文化」における故事成語の授業実践でした。
従前の漢文読解の授業から脱却することを目指し、一昨年度の研究大会での朝倉先生や望月先生の授業を参考に、戦国策の「蛇足」を生徒に演じさせるだけでなく、故事の背景を想像させ、更に別のたとえ話を考えさせるという盛り沢山の内容でした。
質疑応答では、その意欲的な試みを評価する一方で、生徒の理解(「演じること」)と「蛇足」の内容や表現(「読むこと」)との関連についてや、笑い話としての「蛇足」の描写とたとえ話としての蛇足」の表現との関係、また「蛇足」の説得方略の巧みさなどについて活発な意見交換がなされました。また「蛇足」の説得方略は「漢文」の授業としてではなく、「論理国語」の教材としても利用できるかもしれないという意見もあり、改善点とともに今回の実践の「国語」の学習としての可能性を示唆するような意見もありました。
次もまた日々(過去)の実践から次(明日)の実践につながるような楽しい時間となればと思いますので、次回もよろしくお願いいたします。
月例会はしばらく2ヶ月に一回の実施を予定しています。次回は6月22日(土)又は29日(土)のいずれかの日程で、発表(報告)者の都合が良い日に開催いたします。発表/報告を希望される方は、4月末頃にはご連絡ください。希望がない場合はこちらで教材研究をいたしますが、日々の実践から教材研究、そして明日の実践へのサイクルが、参加の先生がたの次への活力になるのではないかと思いますので、巧拙に関わらず、日々の実践のご報告をお待ちしております。もちろん実践の報告に即した教材研究は随時応じますので、実践をした/するに伴って、こういうことが知りたいということがあれば、ご相談ください。
なお、発表の希望又は相談は広島漢文教育研究会kanbun-kyouiku*ml.hiroshima-u.ac.jp(*を半角@に変更)にお願いいたします。