10月漢文研のまとめ


10月24日(日)14時〜16時 於広島大学附属高等学校 多目的教室

 岡崎康治先生からソフトを活用したパソコンでの漢文教材作成についての提案、御殿場高校・望月勇希先生、都立橘高校・山際咲清香先生、福山工業高校・鶴田めぐみによる李白「黄鶴楼送孟浩然之広陵」学習指導案の発表と検討、広島大学・佐藤先生による漢詩カードを用いた漢詩作成の授業実践報告がありました。

 岡崎先生によるソフトを用いたパソコンでの漢文教材作成の提案では、パソコンで訓点付きの漢文の文書を作成し、印刷する作業の簡略化が可能になるような独自に作ったソフトの提案でした。教科書データに入っている白文の文章から訓読文にするという作業をパソコン上でする際、今まではひとつ一つの訓点を文中に打ち込み作成していましたが、岡崎先生の開発したソフトを用いいると白文と平打ちの訓読文のデータをソフトで結びつけるだけで、訓読文にできます。Texと呼ばれるソフトを用いて開発したもので、試作品の段階とのことでしたが、活用が進むと訓読文を用いた漢文教材の作成がパソコンで容易に行うことができるようになるのではないかと思います。

 また、「黄鶴楼送孟浩然之広陵」学習指導案の発表と検討では、望月先生、山際先生、鶴田、それぞれの視点から詩に表れた李白の心情を考える授業の発表となりました。山際先生は「孤」に着目し「孤」から感じられる李白の心情を読み取るという授業でした。また、望月先生は「見」に着目し、ここでの「見」は「眺めている」という意味を含んでいるという点に着目し、この「見」から考える李白の心情について考える授業でした。鶴田はそれぞれの句をバラバラに提示し並び替えるという活動を通して李白と孟浩然の関係性を考えるという授業でした。

また、佐藤先生から授業実践報告として、「漢詩カード」を用いた漢詩の作成の授業実践がありました。ハードルの高い漢詩作成も「漢詩カード」を用いることで手軽に自らの思いを入れた漢詩を作ることができるというものでした。

 漢詩は一つひとつの言葉に着目し、その意味を探ることにより、作者の表現しようとした情景、込めた思いが浮かび上がります。授業では、生徒とともに一つひとつの漢字の意味を考え、そのつながりを捉えていく時間を大切にしていきたいものです。

 今回もオンラインの開催となりました。そして、12月、今回指導案の検討を行った「黄鶴楼送孟浩然之広陵」の授業を行う研究大会も開催されます。今後もさまざまな状況に応じた多様な研究会のあり方を模索していきたいと思っています。11月もよろしくお願いいたします。(T.M記)

※11月は23日(火)14時~16時、於附属多目的教室、「黄鶴楼送孟浩然之広陵」指導案発表と検討。
どんどん指導案を出してください。前日17時までに送ってください。ベースはZoom、希望者は連絡ください。
では、よろしくお願いします。