漢文研からのお知らせ 3月の漢文研

3月26日(日)「塞翁馬」(淮南子)の指導案の発表・検討が行われました。泉陽子先生(広島)、望月勇希先生(静岡)、鶴田めぐみ先生(山口)から指導案を、山際さやか先生(東京)から授業構想の発表がありました。「塞翁馬」の授業を他の教材と結び付けてどのように授業構成ができるか、本文からどこまで人間観・人生観、あるいはものの見方を引き出すことができるかが検討の中心的な課題となりました。

出来事の流れを捉える際には、塞翁と人々の出来事への捉え方の違い、そしてその時間軸に着目することで、どこまで先を考え行動する人物であるか見方が変わるという話になりました。また、語られている内容と生徒との結びつきを考える際、塞翁の人生観や人間観を見るだけでなく、生徒の日常にも目を向け、共感できる経験を考えさせたうえで「自分たちはどうあればいいのか」と生徒自身の生活とのかかわりがある授業の展開にまで話が及びました。

『淮南子』は前漢が儒教を支配的思想として確立した時期になり、淮南王劉安が抵抗の書として生み出したと読むことも可能でしょう。底流には老荘の思想があります。

 今回もオンラインでの開催となりました。静岡、福岡、高知、東京、などからの参加者を得て、にぎやかな会となりました。次回もよろしくお願いいたします。