令和元(2019)年度 漢文教育研究大会

令和元年 12月3日(金)漢文教育研究大会が開催されました。

主題 漢文が創る深い学び

研究授業 (1)王維「送元二使安西」の学習 -中学3年-
安田女子大学  先坊 幸子

「送元二使安西」は、清々しい春の朝、西の果てへと赴任する友人を送る詩としてあまりにも有名な一編です。王維はどのような言葉で元二への惜別の情を表現したのか。たった二十八字の中に込められた、二度と会えないかも知れない友人に対する名残惜しさや、その旅立ちを祝福し、無事を祈る思いについて考えることを軸に授業を行いました。

研究授業 (2)李白「望廬山瀑布」の学習 -高校Ⅰ年-
広島大学附属中・高等学校  増田 知子 

   李白の「望廬山瀑布」詩はダイナミックな滝の流れを想像することはできるものの、絵に描いてみようとすると難しい。授業ではまず、この詩に描かれている情景を絵として表現させ、その時に起こった疑問を考えていくことで漢文の授業における「主体的・対話的で深い学び」を提案したいと考えました。中心となる疑問は視点がどこにあるかというもの。グループ毎にそれぞれの解釈で再び絵を描かせ、どこからの視点なのかを発表させました。



研究発表  教科横断的な授業 
国語(漢詩)から総合学習(漢詩創作)へ
京都教育大学附属桃山中学校  大栗 真佐美

 中学校国語では、漢文単元は1年に1つしかありません。そこで本実践では、他教科と教科横断的な授業構成とするためカリキュラムマネジメントを行いました。それによって学習者が多くの作品に触れる機会を持つことで漢詩の世界に親しみ、お気に入りの作品を見つけることや、漢詩創作のルールを学びながら漢詩創作ができることを体感し、漢詩の世界を書籍の中のものだけとせず、現在の私たちの世界にひきつけて学習者の視野を広げていくことを目指しました。

研究協議の様子

月例会報告 漢詩の教材研究と指導案           広島漢文教育研究会