平成29(2017)年度 漢文教育研究大会

主題 漢文が創る深い学び

研究授業(1)王翰「涼州詞」の学習    
-高校1年-KTC中央高等学院 鶴田 めぐみ

「涼州詞」は涼州に行ったことのない王翰により想像の中で作り上げられた世界です。
西域の示す異国情緒な世界、その中にいる孤独な兵士の深い悲しみ。一つ一つの言葉のイメージと意図を紐解くことで言葉が織りなす無限の世界の可能性に挑んだ授業を行いました。

研究授業(2)王維「元二の安西に使ひするを送る」詩の学習-中学3年-
広島大学附属中・高等学校 朝倉 孝之

  陽関三畳で人口に膾炙する送別の詩です。前二句では旅立ちの朝の爽やかな情景が描かれ、後二句では「勧君更尽一杯酒、西出陽関無故人」と王維の言葉がそのまま引かれています。遙か離れた安西に旅立つ友に言いたいことはたぶん多くあるでしょうが、これだけをしるします。無事な旅を祈りながら送った短い言葉の意味を生徒と考えていきました。



研究発表   学習者の国語力を育成するための漢字・漢文学習 
―地域の漢文資源活用を目指して―    
兵庫県立伊和高等学校 北川 昌生

 漢文学習と地域文化を結びつけて生徒の国語力の育成を図った実践です。
第一段階は、国語力向上に向けた漢字・漢文の習得、第二段階は地域文化への関心を高めるための漢文学習の活用となるよう構想しました。導入で本校校訓とそこに添えられた漢文を読み解いていきました。生徒の身近にある漢文を用いることで主体的に学習に取り組む授業を目指しました。

月例会報告  思想教材『論語』の教材研究と指導案  広島漢文教育研究会   

 今年度、月例会では『論語』の教材研究と指導案の作成・検討を行ってきました。
冒頭「学而時習之」(学而)から読み始めました。伊藤仁斎はこの一章を論語の中の論語「小論語」と評しています。一月に一章ずつ、参加者皆で丁寧に教材研究と指導案作成とを積み重ねてきました。

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