4月例会の報告と6月例会のお知らせ

4月の例会では、静岡県立御殿場南高校の望月勇希先生に、「探究学習」において地域に残る漢文資源を活用した実践の報告をしていただきました。望月先生の実践は、清末に日本に亡命した康有為が富士山を詠じた漢詩や、江戸時代に日本を訪れた朝鮮通信使の紀行文などを素材としてとりあげ、生徒が普段見慣れた地元の景色を、異域から訪れた人々はどのように見たのか、ということを生徒とともに考え、そのような学習を通して、「人文学を学ぶこと」を考えるという意欲的な試みでした。色々と学ぶことの多い実践でしたが、その中で静岡県のHPで公開されている石川忠久編『富士山漢詩百選』の紹介もありました。これはShizuoka ebooksとして全文が無料公開されており、本文とともに書き下し文・語釈・通釈を見ることができます。富士山漢詩百選 https://x.gd/QgY9N 歴代の日本の漢詩人たちが「富士山」をどのようにまなざし、どのように漢詩で表現してきたのかが一覧でき、高校や大学での実践にすぐに使えそうな資料です。
 また後半では、康有為が日本亡命の身を屈原になぞらえたということから漢文教材としても有名な伝屈原「漁父辞」の教材研究を行いました。「漁父辞」は「屈原」や「漁父」の思いや「屈原」と「漁父」の人生観をまとめさせる学習課題が設定されることが多いようですが、この教材は対句が多用され、また多くの句法も用いられており、対句や句法に着目しながら読むことで、漢文読解の基礎的知識を身につけながら、内容や心情を理解できる教材でもあります。また「漁父の笑い」が「屈原」に対する「批判」か、或いは「容認」かで解釈が分かれることに着目すると、「漁父辞」を「屈原」と「漁父」との「対立」としてだけ読むのではなく、両者の「対話」として読むことで、自らと異なる考えとどのように向き合うのかという問題を、生徒に考えさせることができるのではないか、ということも話し合われました。
 次の例会は6月20日(土)となります。次回も先生がたのご参加をお待ちしております。また発表をご希望の方は連絡先のアドレスにご連絡ください。

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